【 連載小説「ドタバタ 新米刑事とベテラン刑事」12話目 】

「よしっ!俺に良い考えがある」
剛田の言葉に、
新川、井澄、剛田の作戦会議が始まった。
「・・・と言うことで、作戦開始!」
剛田の指令に新川と井澄は両足を揃え、敬礼をした。
三人とも完全に警官の職務に戻っている。
少年も胸を張って小さな手でピシッと敬礼をしたので井澄が笑い、緊張していた空気が和らいだ。
が、その時、
「うらぁああああああ、近寄りやがったらこの女を殺すぞ!!」
通行人の誰かに気づかれたらしく、いきなり犯人が金切り声を上げた。
剛田が目で合図すると、井澄は少年を連れて藪の中に入り、新川は犯人を取り囲んでいる人達の中に紛れ込んで行った。
剛田は一人犯人目掛けて歩いて行く。
「おい、お前ガキがいたな、ガキは何処だ?」
犯人は母親の耳元で息をゼイゼイさせながら聞いた。
「知らないっ、知っていても誰があんたになんか!」
母親は以外にも気が強く、ヒールの踵で力任せに男の足を踏んだ。
「痛ってぇえ!!何んてことしやがるんだ」
男は喚きながらナイフを母親の首にめり込ませた、たちまち母親の首からスーッと細い血が流れ、遠巻きで見ている群集の中から女性の悲鳴が上がった。
「おい、そこまでだ」
男の前に出た剛田は左手に警察手帳を持ち、右手に銃を構えている。
「お前、デカか・・・」
血走った目で、男は唇を舐めながら剛田を睨みつけた。
「そうだ、俺は警官だ。直ちに武器を捨て人質を解放しろ。
さもなくば発砲するぞ!」
「けっ、やってみろよ。お前の弾が早いか、俺がこの女の首を掻き切 るのが早いか試してみるか」
男は口元をニヤリと曲げた。
「どうしたんだ、引き金を引かないのか?」
少しでも動いたら、男は彼女の首にめり込ませたナイフを横に引くだろう。剛田の額に汗が滲む。
「じゃあ、こうしよう。おれが代わりに人質になる」
剛田の提案に男は鼻でせせら笑った。
「俺はこの女に用があるんだよ。
おめえと交換だなんてやなこった。それよりさっさと拳銃を寄こしや がれ。俺の足元にゆっくり投げて寄こすんだ」
母親の顔にサッと恐怖の色が浮かんだ。
ナイフだけじゃなく、拳銃まで手に入れたらこの男は何をするか分からない。拳銃だけは渡さないでと彼女の目が剛田に言っていた。
しかし剛田は、あっさりと銃を男の足元目掛けて放り投げた。銃は男の足から少し離れた所に着地した。
「おいおい、コントロールが悪すぎるぜ」
男はチッと舌打ちしながら母親を抱きかかえるようにして銃に近づき、
「おい、しゃがんで拾え」と母親に命令した。
母親は男の言う通りしゃがんだが、いきなり銃をつかんで投げた。
地面の上を滑るように銃が飛んで行く。
「ゲッ、このアマ何をしやがる!」
男が母親の首をつかんだとたん、
「うわぁああああああ!だっ誰だ!!」
新川が後ろからタックルをかまし、男と一緒に地面に叩きつけられるように倒れて行った。
その隙に井澄が駆け寄り母親の手を引き遠くに逃げる。
男は死に物狂いで暴れたが、新川と剛田に取り押さえられ、後ろ手に手錠を掛けられた。
「ママ!」
木の陰に隠れて待っていた少年が母親目掛けて走って来る。
「誠!」
母親は我が子をしっかりと抱きしめた。
・・・つづく
☆「レミーのおいしいレストラン」の感想☆
今日は友人と映画のレミーを観に行った。
思った以上に面白かった!可愛らしい!
キャラクターの1人1人に個性が感じられ魅力的だった。
主人公のレミーは料理に物凄くこだわるちょっと小うるさいネズミでグループの中からいつもはみでていた存在だが、料理にとても熱意があり友情も大切にする素晴らしい彼だ。
今回特に個性的だったのは、リングイニ。彼はグストーの元恋人の息子という事で亡きグストーの店で雑用として働かされてしまうが、これが居た堪れないほどのおっちょこちょい青年。
その上、料理ができないし、はっきりと自分の主張ができないせいでネガティブで、行動が滑稽でどうしようもない青年である。
しかしレミーと出会ってから彼自身が変わる。
レミーと彼は一致団結し、料理が出来ないリングイニをレミーが帽子の中で髪の毛をひっぱって操作して料理をする所が素晴らしかった。
彼らは世間を圧倒させるほどの美味しい料理を作り、リングイニーは雑用からオーナーに昇格した。だが彼が変わったのは外側だけ。料理は何一つ1人で作れない。
本当は世間から嫌われているネズミのレミーが考えて作った料理だった。
そこからいろいろあって最後にレミーとレミーの友達リングイニとリングイニの彼女コレットの3人で力を合わせ、ハッピーエンドになって良かった。
もう少し詳しく話したかったがネタばれになるのでこの辺で留めておく。オススメのお話。
電子出版「大人の絵本 クロド」 著者:白河甚平
電子出版「短編集 闇の中の住人」 著者:樋口裕子
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